真のハイブリッド クラウド連携を実現する iPaaS Fiorano Cloud Platform |
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アプリケーション連携のプラットフォームでは、一般的に、複数のサービスが ESB (エンタープライズ サービス バス) を介してお互いにコミュニケーションしながら連携する形態を採っています。
各サービスは異なるマシン上で稼動しているのが普通であり、ときにはインターネット上に分散されている場合もあります。これらの分散されたサービスを有機的かつ効果的に結びつけるためには、分散環境に対応した ESB が不可欠となります。
分散環境に対応した ESB は、クラウド コンピューティング環境においてもたいへん有効なインフラストラクチャ (実行プラットフォーム) として機能します。
しかしながら、クラウド コンピューティング環境においてアプリケーション連携を行う場合、その実行プラットフォームには必要な要件があるのです。
例えば、クラウド コンピューティングの環境においては、以下の点について考慮しなければなりません。
- アプリケーション (サービス) は、それぞれが異なる開発言語(スクリプト言語の場合もあります) によって作成されている可能性がある
- サービスが実行されるハードウェア プラットフォームや OS が異なっている可能性がある
- サービスが企業内のネットワーク上に配置されている場合も、外部のパブリック クラウドやプライベート クラウドとして提供される場合もある
- サービスは、同期通信 (リクエスト リプライ方式) でも非同期通信 (データ フローやイベント処理) でも互いにコミュニケートできる必要がある
これらの条件を満足する機能がプラットフォーム (ESB) に求められるのです。
さらに、分散環境に対応したセキュリティやガバナンス機能も ESB に必須なものとなります。
現在のクラウド コンピューティング環境におけるインテグレーションの方法は、下記のインテグレーション モデルとして捉えることができます。
- クラウド -- オンプレミス連携 (連携基盤がオンプレミスに存在)
- クラウド (SaaS/PaaS) -- オンプレミ+連携基盤
クラウド上のアプリケーションのデータをクラウド上の他のアプリケーションに送信するためにはオンプレミスを経由しなければならない
- クラウド -- オンプレミス連携 (連携基盤がクラウド上に存在)
- クラウド (SaaS/PaaS)+連携基盤 -- クラウド (SaaS/PaaS)
クラウド アプリケーション間の連携効率は上がるが、オンプレミスからのクラウド上のデータソースへのアクセスの効率が悪い
- iPaaS によるハイブリッド クラウド連携
(連携基盤がすべてのクラウド上およびオンプレミスに分散されて存在)
- クラウド (SaaS/PaaS)+連携基盤 -- クラウド (SaaS/Paas)+連携基盤 -- オンプレミス+連携基盤
上記 2つのモデルを組み合わせたハイブリッド モデルで、他の2つのモデルが有する問題を解消する
Fiorano Cloud Platform は、複数のクラウド環境 (SaaS/PaaS) とオンプレミスを有機的に連携させることが可能な iPaaS であり、ハイブリッドなクラウド連携を実現します。
Fiorano Cloud Platform は、上記のいずれのインテグレーション モデルをもサポートしています。
注 1
iPaaSは、ガートナー社が提唱したもので、
組織内または組織間におけるオンプレミス/オフプレミス アプリケーション、SOA、クラウド サービス、プロセス、データのあらゆる組み合わせの統合とガバナンスを目的としたスイートを指しています。
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ハイブリッド モデルのピア・ツー・ピアによるアプローチは、ピア・ツー・ピア アーキテクチャの持つ分散コンピューティングの優位性を維持しながら、中央管理の利点も有しています。
データソースには、リモートからの Web サービス以外にもメッセージング、ローカルな JDBC などの API でアクセスできるようになります。
分散されて各クラウド内 (SaaS / PaaS) に配置されるピア サーバーは、クラウド内のアプリケーションをより効率的に統合します。ピア サーバーとクラウド内アプリケーションはクラウドのローカルで統合されるため、リモート (クラウド外) のサーバーとの間のネットワークを介したやり取りが不要となるためです。
ピア サーバー内に組み込まれたメッセージングおよびキューイングの機能によって、クラウドとオンプレミスあるいは複数のクラウド間のデータ フローやイベント フローが可能となり、これらの全体にわたるデータの流れが可視化されます。
例えば、Salesforce のような SaaS アプリケーションと、Amazon EC2 、Windows Azure、Google Application Engine に代表される PaaS にホストされているアプリケーションとの間でデータ交換が行えるようになり、その間のデータの流れをオンプレミスで監視できるようになります。
ピア・ツー・ピアのコミュニケーション メカニズムは、シームレスでリアルタイムな統合を効果的にサポートします。
下図は、Fiorano Coud Platfrom によるハイブリッドなピア・ツー・ピア インテグレーションを表しています。
注目すべきは、オンプレミスやクラウド上に分散された全体のデータ フローを、セントラル サーバーで監視、管理できる機能を有している点です。このセントラル サーバーは、オンプレミス内 (企業内) もしくは企業の管理化にあるデータセンターに配置されます。
このセントラル サーバーは、データ フローの監視をするためのもので、ビジネス データ自体はセントラル サーバーを経由しないでピア サーバー間で交換されます。
従来の EAI 製品に見られるブローカーや BPEL エンジンなどのハブ&スポーク形態ののアーキテクチャでは、これらのセントラル サーバーがデータ フローのボトルネックとなりがちです。ピア・ツー・ピア アーキテクチャでは、セントラル サーバーを経由しないためボトルネックの発生を避けることができます。
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