キーポイント SMS (ショート メッセージ サービス)、SMS センター メッセージン技術に基づくリアルタイムなイベント処理 ハイ パフォーマンス スケーラビリティ 再利用 二重化

『我が社には戦略的な計画があります。それは、競争の激化した環境において信頼性に富み、処理性能の高いインフラストラクチャに投資することです。Fiorano 製品の採用によって高い ROI を数か月で達成することができました。メッセージング処理は ５倍の能力に、SLA において 80% の向上を達成しました。最も重要な点は、次の数か月でさらに ５倍の向上が見込めることが明らかになったことです。これは我が社にとって、大きな競争力になります。』 UNICEL Technologies 社 取締役 Vinay Agrrawal

本事例の章

1.  UNICEL Technologies 社の概要
2.  ビジネス上の課題
3.  ソリューション
1.  ミドルウェアの選択
2.  実装
4.  効果
5.  将来ビジョン
6.  参考資料

UNICEL Technologies 社の概要
UNICEL は、ワイヤレス モバイル ソリューションを顧客企業に提供しているリーディング カンパニーです。UNICEL のソリューションは、独自のモバイル テレフォニー プラットフォームをベースに顧客のカスタマイズ ソリューションを実装しています。
UNICEL は、EMS (Enterprise Messaging Solutions) のリーダーであり、最先端の技術をワイヤレス テレコムの業界に提供しています。SS7 に基づく UNICEL 独自のインフラの上にワイヤレス モバイル ソリューションを実装することで、この分野における処理性能と信頼性は他の追随を許さないものとなっています。

MessageOne
MessegaOne は、ハイパフォーマンスな SMSC (SMS センター: Short Message Service Center) で、 UNICEL の主力商品です。
SMSC は、ストア & フォワード方式のプラットフォームで、SMS メッセージの受信、処理、ストア、フォワードを行います。
ストア & フォワード方式であるため、何らかの理由で直ちに送信できないメッセージはストア (保存) し、受信デバイスが利用可能になった時点でフォワード (配信) することができます。
未配信のメッセージがストアされる期間 (TTL: Time To Live) が経過するとメッセージは削除されます。

MessageOne は、SMS 以外の固定網/移動網ネットに対する接続性も備えています。 これにより、既存、新規を問わず数多くの移動体通信業者やコンテンツ プロバイダとインタフェースすることが可能となっています。
このため、既に大規模な SMSCS を構築している移動体通信業者にとってもコスト削減の有効な手段になり、新規に easy-to-use なプラットフォームを探している移動体通信業者にはトラフィック増大による利益をもたらすソリューションとなります。

MessageOne では、CDMA と GSM の両方を単体のプラットフォーム上でサポートしており、CDMA - GSM 間のゲートウェイと機能します。

ビジネス上の課題
UNCEL は、メッセージ管理ソリューション MessageOne を下記の環境で実行していました。
    ハードウェア: IBM      OS: LINUX      Web サーバー: Apatch

MessageOne は、Java、C および C++ で独自に開発した複数のアプリケーションで構成されており、メッセージング ミドルウェアと同等の役割を実行させていました。

これらのアプリケーションはポイント・ツー・ポイントで結びついていますが、ポイント・ツー・ポイントの性質上スケーラビリティが低くなってしまいます。
その結果として、処理能力/スピードの不足、信頼性の低下なども招いてしまっていました。
所定のパフォーマンスを達成するためには多大なコストをかけて拡張/改善を実施しなければなりませんでした。

また、既存のソフトウェア資産を再利用することも非常に困難で、さらなるコスト高騰の要因となっていました。

• 処理能力/スピードの不足
  サービスの仮想化が充分に進んでおらず、複数のビジネス プロセスを並列実行する能力に欠けていました。
  その結果、満足できる処理性能を得ることができていませんでした。例えば、SMS メッセージの処理件数は 1日あたり 1千万から 1億 5千万件に限られしまっていました。
  この改善には膨大な額の投資が必要とされました。
• 脆弱なセキュリティおよび信頼性
  UNICEL では、データベース - Web レイヤという 2層アーキテクチャを採用していました。
  しかし、Web レイヤーは、データ改ざん攻撃のセキュリティ リスクを内包しています。
  また、、多くのアプリケーションは Web レイヤー経由ではなく直接的にデータベースにアクセスしており、データベースの障害発生時のフェイルオーバー性を低めていました。
• スケーラビリティの不足
  新規アプリケーションが開発される度に、同じ機能を果たすコンポーネント (例えば、ログイン ハンドラー) を再利用するのではなく、最初からプログラミングしていました。
  このため、開発コストが嵩み、サービス インの時期が遅くなるという問題を抱えていました。

ソリューション

ミドルウェア製品の選択
UNICEL の技術チームは問題を解決するために、ミドルウェアを刷新することを検討しました。
オープンソースから市販製品、システム インテグレーターが提案する大きくて複雑なソリューションまで入手可能なものをすべて調査しました。

キーとなった調査項目は以下のものです。

• UNICEL が保有する SMPP (Short Message Peer-to-Peer) プロトコル サーバーとの連携
• ハイスピードなメッセージング
• 高いスケーラビリティ
• 自動的な冗長化 (二重化)
• ユーザ フレンドリィな GUI
• プログラミング レス
• 開発期間の短縮と開発コストの低減
• メインテナンス運用コストの低減

厳密な製品検証を実施した結果、UNICEL のアーキテクチャ チームは Fiorano Integration Platfrom を選択しました。
Fiorano Integration Platform が、UNICEL の選択基準をすべて満たしていることが判明したからです。

Fiorano Integration Platform は、配信性能に優れたメッセージング技術をベースとした ESB (エンタープライス サービス バス) であり、アプリケーションの連携だけに留まらず、UNICEL が必要とする SMS メッセージの配信スループットを達成できることが製品検証で判明しました。

Fiorano Integration Platform は、配信性能が高くレイテンシーが低いメッセージング機能をベースにリアルタイムなイベント処理が行えます。高度なスループットが求められるテレコミュニケーション業務に最適なものとなっています。
また、Fiorano Integration Platform 上の構築したビジネス プロセス (業務処理フロー) は、動的な変更 (ビジネス プロセスを停止することなく変更) が行えます。このことは、24時間の無停止稼働が求められる環境では非常に重要な機能です。
ロジカルなビジネス プロセスのデザインがそのまま実環境に自動的にマッピングされる Fiorano Integration Platform では、ビジネス プロセスを IT の技術知識を持たない業務担当者 (例: 営業担当者、経理担当者など) でも作成可能であり、ビジネス プロセス構築の生産性を向上させます。

実装

UNICEL の SMS センターは、SMS メッセージの移動体通信業者間の転送を行います。
転送を行う際には、サービス アプリケーションによって様々なサービス機能が SMS メッセージに対して実行されます。

UNICEL SMS センター (図をクリックすると拡大図を表示します)

上記 SMS センターのミドルウェアとして、下図のような新たなアーキテクチャ レイヤーを採用しました。
中心に据えられた Fiorano Integration Platform は、きわめて重要なオペレーション (ビジネス ルールの適用、MIS 制御、ライセンス管理、Web サイト コントロールなど) を制御します。
また、下位レイヤーと上位レイヤーの間のデータ バスとして機能します。

UNICEL アーキテクチャ レイヤー (図をクリックすると拡大図を表示します)

効果

• 処理性能の向上
  Fiorano Integration Platfrom を採用したことで、UNICEL は従来に比して 5倍の処理性能を得ることができました。
  現在、1日あたり 5千2百万メッセージを処理することができています。
• セキュリティの強化
  データベースへのアクセスはすべて Fiorano Integration Platform 経由となり、データベースへのアクセスが完全にコントロールできるようになりました。これによって、攻撃に対するリスクも格段に低減されています。
• 高いスケーラビリティ
  Fiorano Integration Platform は、規模や拡大やデータ量の増加に応じてサーバー (ピア サーバー) を柔軟に増加することができます。
  サーバーを増やす場合でも、ビジネス プロセス全体を停止する必要はなく、業務すべてが止まってしまうことがありません。
• 生産性の向上とコストの削減
  同一の機能を実行するコンポーネント (例えば、ログイン機能やデータ変換機能) をアプリケーション毎に作成する必要がなくなりました。
  Fiorano Integration Platform では、単一のコンポーネントで多くのログインやデータ変換に対応でき、ビジネス プロセスの中でこれらのコンポーネントを再利用できます。
• サービスの品質向上
  メッセージ処理件数が大幅に伸びたことやビジネス プロセスのダウン タイムが飛躍的に減少したことで、SLA において 80%の向上が達成されました。

将来ビジョン

今回の Fiorano Integration Platform 採用による SMS センターの大きな成功によって、UNICEL では、Fiorano Integration Platfrom を利用した連携を推し進めることとなりました。
新たな連携が計画されているプロジェクトには次のもにがあります。

• 音声通話サービス
• ビリング (課金) システム
• プロビジョニング
• CDR (発信記録)
• 内部 ERP

参考資料

機能説明のページ

Fiorano Integration Platform (製品説明)

Fiorano ESB  Fiorano ESB アーキテクチャ