Fiorano Integration Platform®: 電子決済システムの SOA 化
|
|
キーポイント
- アプリケーション インテグレーション (EAI)
- アジャイル性の確保
- 可視化
- ビジネス プロセスの自動化 (コレオグラフィ)
- 多様なユーザー デバイスの接続
|
『 Fiorano Integration Platform はその性能と開発の容易性の面で他社製品に比べてたいへん優れていたことが、選択にいたった理由です。弊社の膨大な量のトランザクション を処理する能力が最も重要な評価基準でした。また、ビジネス チャンスに対するアジャイル性も必要としており、この点も評価の対象でありました。』
EasyPay 社 CTO Anthony Ferguson
|
本事例の章
- EasyPay 社の概要
- ビジネス上の課題
- ソリューション
- 効果
- 採用理由
- 参考資料
EasyPay 社の概要
EasyPay は、南アフリカにおけるノンバンク業界をリードする企業として主要な銀行すべてと接続された IT インフラストラクチャを構築し、デビッド カードおよびクレジット カードの電子決済サービスを提供しています。
EasyPay は、南アフリカ市場において利便性の高い決済システム (プリペイド システムおよびクレジット カード決済) にフォーカスし、年間のトランザクション量は年間 2億8千以上に達しています。
この膨大なトランザクションを処理する能力を維持しながらも、顧客の増加に対応し、付加価値の高い新規サービスをも可能とするシステム構築が仮題となっています。
EasyPay の既存サービスには、電子決済 (EFT)、請求書決済、電子プリペイド決済、ギフトカード、電子送金、他社および他銀行間の振り替えサービスなど数多くのものがあります。
ビジネス上の課題
EasyPay では、異なるハードウェア上で稼動する様々なバッチ処理アプリケーションやリアルタイム処理アプリケーションを、それぞれ連携させながら運用していました。
Java で開発された複数の独自アプリケーションが付加価値の高いサービスの提供に寄与していましたが、アプリケーション間のデータ構造が複雑で、システム管理を著しく難しいものとしていました。
また、EasyPay では、インターネットや電話を用いて直接アクセスしてくる顧客がレスポンスの遅さに不満を持っていることにも気がついていました。
EasyPay のメッセージ ルーティング ソリューションは、時に、配信速度が極端に下がり、また、メッセージのストア&フォワード方式も障害時の対応に問題がありました。
EasyPay が抱える主な問題点として、次のものが挙げられます。
- IT インフラストラクチャが複雑で、システム管理が困難
- アジャイル性の欠如 (新規顧客に対するサービス インや新規サービスの開始に困難が伴い、迅速に対応できない)
- コンフィグレーション設定がアプリケーション内にコーディングされているため、コンフィグレーション変更が困難
- メッセージ ルーティング ソリューションのメッセージ配信速度が低い
- 障害時にメッセージを 100% 保持できないストア&フォワード方式
- アプリケーション間の連携において所定の目標値を下回る処理速度しか発揮できていない
ソリューション
EasyPay が求めていたソリューションは、顧客に対するサービスを最善なものとすることであり、それは次の要件をクリアすることで得ることができるものです。
- アジャイル性を確保するインフラストラクチャ
- 可視性
- システム管理、運用の容易性
- データ管理の容易性
EasyPay は、SOA (サービス指向アーキテクチャ) が不可欠であると考えていました。
SOA によって既存のアプリケーションやインフラストラクチャを簡単に統合することができ、システム管理上の問題点を軽減し、ビジネス プロセスを変化に適応させてダイナミックに変更することが可能となると認識していたのです。SOA の採用によって、顧客に対する迅速なサービス提供につながるものと期待していました。
EasyPay 社は、ビジネス インテグレーションの技術が決済業務に必要な高い信頼性とセキュリティを有し、また、膨大なトランザクションを処理可能なものであるか、その調査を実施しました。
また、膨大なトランザクションを処理する能力を維持しながらも、顧客の増加に対応し、付加価値の高い新規サービスをも可能とするものであるか否かも重要なポイントでした。
複数の製品を調査した結果、EasyPay は、Fiorano ESB (エンタープライズ サービス バス) を連携基盤に持つ Fiorano Integration Platform を選択するにいたりました。
下図は、お客様に提供している EasyPay のサービスを実行しているサーバーと、ESB との連携の様子を示しています。
ESB (エンタープライズ サービス バス) が、お客様のデバイスとバックエンド サービスとの間をメッセージで連携する、メッセージング バックボーンとして機能しています。
リクエストを発信してくるお客様のデバイスには、
など、多くの種類があります。
ESB のテクニカル アーキテクチャ
処理の流れは、概ね以下のようになります。
- お客様デバイスからのリクエストは、ESB 上でメッセージとして、バックエンド サービスにパブリッシュされます。
- メッセージは、必要に応じてデータ変換などの処置がなされ、
- 該当するバックエンド サービス (EFT スイッチ や Web アプリケーションなど) に配信されます。
- そして、サービスの実行結果がレスポンスとしてリクエストの発信元であるお客様のデバイスにリプライされます。
- これらのトランザクションの記録データは “トランザクション管理サービス” に送られ、障害発生時のトランザクションの不整合に対処できるようにしています。
- 同時に、障害発生のイベント通知が “エスカレーション サービス” を介してシステム管理者に通知されます。
- 電子メールや FAX などを送信する場合には、”通知サービス” が用いられます。下図では、例として FAX 装置がこれらの通知メッセージの受信端末として記されています。
- ”ダイレクト接続サービス” は、メッセージをデータ ファイルに書き出す場合に用いられるサービスです。
これらのすべてのアクティビティは、中央のシステム管理用コンソールから一括してモニタリングできます。
効果
Fiorano ESB は、秒あたり数百から数千のメッセージを配信する能力を有しています。
このことは、そのスケーラビリティと管理機能とあいまって EasyPay にとって最適な基盤となりました。
EasyPay は Fiorano Integration Platform の採用によって、次の利点を得ることに成功しています
- Fiorano ESB を用いた新たなメッセージング基盤は、トランザクションのピーク時においても信頼性の高い配信とストア&フォワード機能をもたらしました。
- EasyPay は新規顧客に対するサービス開始や新サービスの開始を迅速にするアジャイル性を得ることができたばかりでなく、顧客の増加やサービスの増加にも耐えうるスケーラブルで堅牢なシステムとして構築できました。
- メッセージのトランザクションや配信のルールを GUI インタフェースによって定義できるようになり、また、メッセージ フローを中央のシステム管理コンソールからモニタリングできる監視機能によって効果的な管理が行えるようになりました。
- メッセージのトランザクションや配信のルールを GUI インタフェースによって定義できるようになり、また、メッセージ フローを中央のシステム管理コンソールからモニタリングできる監視機能によって効果的な管理が行えるようになりました。
- 複数のサービスやクライアントにメッセージを同胞配信する機能によって、例えば全体的なシステム変更通知などといった複数のサービスが影響を受ける通知を効率よく配信できるようになり、信頼性の高いシステム運営が可能となりました。
- 業務処理プロセスの自動化 (コレオグラフィ) が GUI によって定義できるようになり、業務プロセス構築の簡素化と効率化をもたらしました。
Fiorano Integration Platform とその基盤である Fiorano ESB は、EasyPay にビジネス チャンスへの迅速な対応を可能とするアジャイル性をもたらしました。
Fiorano Integration Platform の採用理由
EasyPay は、製品選択において以下の基準を用いました。
- 信頼性 - 耐障害性
- 可用性 - 寸断のない運用
- アジャイル性 - ビジネス環境の変化に迅速に対応可能な俊敏性
- パフォーマンス - ビジネス環境の変化に迅速に対応可能な俊敏性
- ユーザビリティ - 使用が容易であること
- 使用が容易であること - 障害や問題点の発見と修正がサービスを停止することなく可能であること
Fiorano Integration Platform は、すべての基準を満たすものでしたが、特にアジャイル性、パフォーマンス、可用性において高い値を示しました。
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
金融サービス
SOA に基づくアプリケーション連携 (EAI)
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
|