Fiorano Integration Platform® : 司法機関のリアルタイムな情報交換
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政府官公庁、地方自治体 : カリフォルニア州 トゥーレア郡 (Tulare County)
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キーポイント
- 司法機関のリアルタイムな情報交換
- アプリケーション インテグレーション (EAI)
- エラー発生率の低減 (重複したデータ入力と人手によるデータ連結の削減も含む)
- システム連携の構築の容易さ
- システム間のデータ変換
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『 Fiorano Integration Platform を選択したのは、その使い易さ、設計ツールの優秀性、製品価格、実装コストの面で最も優れていたからです。Fiorano Integration は標準規格に準拠し、既存システムをそのまま再利用することが可能なプラットフォームです。Fiorano Integration を採用したことで、SOA のための強固な基盤を手に入れることができたのです。』
カリフォルニア州 トゥーレア郡 EAI チーム マネージャ Eric Processer
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本事例の章
- カリフォルニア州 Tulare 郡の概要
- 既存のインフラストラクチャとアプリケーション
- ビジネス上の課題
- ソリューション
- 効果
- 参考資料
カリフォルニア州 トゥーレア郡 (Tulare County) の概要
397,000 の人口を有するカリフォルニア州 トゥーレア郡 (http://www.co.tulare.ca.us/) は、米国第 2 位の農業生産高を誇っています。地理的にはロサンセルスとサンフランシスコの中間に位置しています。
同郡の司法省には、高等裁判所、地方検事局、保護観察局、公選弁護人事務所、保安官事務所などの機関が属しています。
司法制度の生産性と信頼性を向上させるためには、アプリケーション連携がキーとなることは理解されていました。
Fiorano Integration Platform を採用し既存システムを連携させたことで、リアルタイムな情報交換が実現され、各司法機関で費やされていた事務処理コストが大幅に低減されました。
ビジネス上の課題
トゥーレア郡の刑事司法制度は、米国の他の州や郡の刑事司法制度と同様に、裁判所、検事局、保護観察局、公選弁護人事務所、保安官事務所が複雑に絡み合ったコミュニケーション ネットワークを活用することで機能しています。
トゥーレア郡は従来のコミュニケーションに内包されている非効率性を改善するために、司法システムの最新技術を採り入れ、IT インフラを刷新することを決定しました
コミュニケーションや情報共有を達成することは困難でした。
各機関は、それぞれ独自にシステムを開発し、情報もそれぞれのシステム内に格納されてきました。残念ながら各システム間をブリッジする機能は、開発されてきませんでした。さらに、システムはそれぞれ独自に構築されてきたため各機関のプラットフォーム間に互換性が無く、システム間の通信にはミドルウェアが必須となっていました。
IT プロジェクト マネージャの Alicia Beal 氏は、システム間を連携する方法を見出すタスクを設けました。
このタスクの困難さは、例えば以下のような点にあります
- データの持ち方がシステム毎に異なっています
- 例えば、眼の色についての情報の持ち方が異なっています
- あるシステムでは "ブラウン (茶色)" と定義
- 別のシステムでは "オーバーン (とび色)" と定義
- 最も困難な点は、このように異なるデータをシステムが理解可能な内容に変換 (翻訳) する機能です
既存システムをリプレースし各機関が同じシステムを利用することで解決可能なように見えますが、この方法には膨大な費用と時間を必要とします。
また、トゥーレア郡にはこのための人的リソースも予算も持っていませんでした。
このため Alicia Beal 氏は、各システム間をブリッジしリアルタイムな情報共有を可能とするアーキテクチャを導入することにしました。
ソリューション
トゥーレア郡の IT 部門は、多数の SOA (サービス指向アーキテクチャ) 製品を調査し、数個の製品に絞り込みました。
これらの製品に対してその効果について技術的な実証テスト (proof of concept) を実施し、その結果トゥーレア郡は Fiorano Integration Platform を選択しました。
Fiorano Integration Platform に決定した理由として、使い易さ、製品コンセプトの優位性、低価格が挙げられます。
Beal 氏は、Fiorano Integration Platform が官公庁に適したミドルウェアである理由について
- 異機種システムから構成されている既存 IT インフラ全体に対するスケーラビリティ
- ビジネス プロセス構築、変更の柔軟性
- プリビルトされてバンドルされているアダプターやコンポーネントをコンフィグするだけの構築 -- ノンプログラミング
- プリビルトされている豊富なメディエーション機能 (データ変換、プロトコル変換)
- 運用環境の変化にアジャイルに対応可能なプロセス停止不要な変更機能
などの点を挙げています。
上の利点によって Fiorano Integration Platform の導入コスト、運用コストは多製品に比べて低く抑えることができます。
Fiorano Integration Platform をベースとした新しいトゥーレア郡のアーキテクチャは、次のステップによって機能します。
被疑者の告訴
- 検事局が、起訴するか否かを判断材料となる情報を受け取ります
- 検事局は、情報を検事局のシステムに格納します
格納する情報には次のものがあります
- 格納した情報を Fiorano Integration Platform に送ります
- Fiorano Integration Platfrom は、情報のデータ変換を実行し
- 裁判所のシステムに変換した情報を送信します
- 裁判所は、情報を基に基礎を承認する棄却するかを決定します
- 判断結果を、検事局に連絡します
- 棄却された場合には、棄却理由を関係するすべての部署および関係者に電子メールで通知します
トゥーレア郡は現在、Fiorano Integration Platform を財務処理やインテリジェントなスケジュール管理などの他の分野にも展開すること進めています。
Beal 氏は、
『Fiorano Integration Platform の利用にもう少し慣れた時点で、他のアプリケーションにも適用を進めていきます。最終的には、司法システム分野以外のトゥーレア郡の各部門や組織にも広めていると思います。』
と、述べています。
Fiorano Integration Platform による司法関連組織の連携
効果
Beal 氏は、
『裁判所のシステムにおいては、単純な見落としによる情報の二重入力の防止を実現しました。システム全体の精度が向上しています。システム間で情報が電子手的に交換されるため、個々のシステムで別の担当者がそれぞれキー入力することに比べて、ヒューマン エラーを防ぐことに成功しました。』
と、述べています。
データ、書類、その他の関連情報が電子的に交換できるため、紙の情報を手渡しで交換してきたことに比べて、担当者の作業時間の大きな削減につながっています。また、司法関連組織間で交換される情報を記録するために費やしてきた紙やインクのコストを低減するペーパーレス化を実現できました。
検事局では、Fiorano Integration Platform は特にその利便性を発揮しています。裁判所の決定事項を検事局でリアルタイムに得ることができるようになり、この種の情報を得るために費やしてきた事務コストや時間コストを大幅に削減できました。
Beal 氏は最後に、
『トゥーレア郡は、電子的なデータ交換と IT システムの連携を実現したカリフォルニア州の中でも数少ない自治体の一つとなりました。Fiorano Integration Platform は、最先端のテクノロジーを提供してくれ、トゥーレア郡の司法システムを技術的にも進歩したものとしてくれました。これらの進歩は、行政の効率化をもたらしただけでなく、トゥーレア郡の住民にも利便性をもたらしてくれています。』
と、述べています。
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
官公庁、自治体
アプリケーション連携 (EAI)
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
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