Fiorano Cloud Platform®:
SAP ERP と salesforce.com をシームレスに連携
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キーポイント
- CRM 単独での不十分さ
- Salesforce CRM と SAP ERP との連携
- Salesforce CRM、SAP ERP との双方向の接続機能
- 営業効率の向上
- 開発コストの削減
- アジャイル性の確保
- 異なる複数のアプリケーションの連携
- RESTful SOA
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『 我々は多大な時間をかけてテクノロジーの研究を行い、REST をベースとした SOA というコンセプトにたどりつきました。
そして、このコンセプトを実装するために Fiorano SOA Platform を選択しました。
セールスフォースに代表されるクラウド アプリケーションと SAP ERP のシームレスな連携が実現でき、多大な効果を得たことを喜ばしく思っています。』
Nilkamal Ltd. IT 部門長 Nilesh Modi
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本事例の章
- Nilkamal 社の概要
- ビジネス上の問題
- ソリューション
- 効果
- 参考資料
Nilkamal 社の概要
Nilkamal 社は、成形合板家具、食品用カゴ、食品容器、コンテナを製造する会社として 1950 年に設立されました。現在では、家具や台所用のメガ ストア チェーン (@home) も運営しています。@home チェーンの年間売上高は 3億ドル (米国ドル) を超えています。
Nilkamal 社のすべての工場は、ISO とシックス シグマの認定を受けています。
Nilkamal 社の売り上げは、インド国内の 49 の支店と 33 箇所の倉庫からなる営業ネットワークによって支えられています。
ビジネス上の問題
2ケタの成長率というインド経済環境において、Nilkamal 社ではすべての営業マンに最新の在庫情報を提供する必要に迫られていました。
営業マンはインド国内の各拠点に分かれて働いており、その数は数百人にのぼっていました。
数百人の営業マンから報告されてくる売上データは直ちに経営レポートとしてマネージメント層に報告されると同時に、製造管理システムや製造計画システムに投入し、最新データに基づく製造計画の見直しに活かす必要がありました。
CRM 単独では不十分
Nilkamal 社の CIO である Karan Doshi 氏は、セールスフォース (salesforce.com) のライセンスを 200 人の営業マンに与えました。
営業力の強化を意図したものです。
しかしながら、クラウド上の CRM 単独では意図した成果を挙げられないことに、すぐ気がつきました。
CRM 内では情報はリアルタイムに流れるのですが、オンプレミスの ERP システムが維持しているクリティカルなビジネス情報にはアクセスできないためです。
連携を実現するコストの高さ
Nilkamal 社が抱えている課題の一つに、ERP の統合に膨大なコストを要することが挙げられます。
ERP は、複雑で巨大なシステムです。
ERP を他のアプリケーションと連携するには、ERP に詳しい専任のエンジニア チームを結成することが不可欠です。
Doshi 氏は、CIO マガジン誌のインタビューに答えて、次のように語っています。
『 ERP 統合プロジェクトを成功させるためには、専門的な技術力を得るために多大な投資が必要となってきます。』
ソリューション
Doshi 氏は、多くの CIO が恐れ悩んでいる点を思い出しました。
それは、ERP を連携させるためのミドルウェアです。
Doshi 氏も、 Salesforce CRM との連携に SAP PI を試してみました。
たった 1 店舗分のデータ交換に適用しただけなのですが、その処理の遅さに失望した経験を持っていました。
何ヶ月にもおよぶリサーチの結果、Doshi 氏は Fiorano Cloud Platform によるソリューションにたどり着きました。
Doshi 氏は、Fiorano Cloud Platform による Salesforce CRM と SAP ERP 連携プロジェクトを振り返って、次のように述べています。
『 Fiorano Cloud Platform は、Nilkamal の次の要求を実現できるソリューションでした。
- 優れたトランザクション スループット性能
- Salesforce CRM、SAP ERP との双方向の接続機能
- シンプルで簡単な実装
Fiorano Cloud Platform による実装は、当初予定していた 60 日間を下回り、実に 45日間で完了することができました。』
Nilkamal 社の IT 部門長である Nilesh Modi 氏は次のように述べています。
『 我々は何回もプロトタイピングを繰り返し、最終的に納得できた時点で、Fiorano Cloud Platform を用いて RESTful SOA を構築することに決めました。』
Fiorano Cloud Platform によって、Salesforce CRM と SAP ERP の連携プロジェクトに内包されていた複雑さや難しさが解消されました。
理由は、
- Fiorano ESB (エンタープライズ サービス バス) がミドルウェアとして備わっていること
Fiorano ESB が有する分散処理アーキテクチャは、クラウドとオンプレミスの連携を効果的に実現します。
- プリビルトされた Salesforce CRM および SAP ERP 用のアダプターが備わっていること
ノンプログラミングで SaaS やオンプレミスのアプリケーションを接続できるようになり、プロジェクトの生産性が飛躍的に向上します。
Salesforce CRM と SAP ERP の連携が簡単に実現できたことによって、
Nilkamal 社の開発チームは、他のアプリケーション連携に専念できるようになりました。
多くのアプリケーションを連携することで、ビジネス情報を適切なタイミングで適切なアプリケーションに渡すことができ、社全体のビジネス プロセスがより効果的なものへと変革します。
図をクリックすると拡大図を表示します。
Fiorano ESB は、クラウド上の Salesforce CRM と オンプレミスの SAP ERP を結ぶリンクとして機能します。
例えば、営業マンが CRM 上である顧客の新たな注文についての登録をしているとします。
この時、営業マンはこの顧客の売掛金状況や注文商品の在庫状況について知りたいと思うのですが、
このような情報は ERP で保持管理されています。
営業マンが両方のシステムにそれぞれログインし、情報を異なるウィンドウ画面で閲覧することは、作業効率の低下を招きます。
Fiorano Cloud Platform およびその連携基盤である Fiorano ESB が CRM と ERP を連携することによって、
営業マンの生産性を飛躍的に向上させることができます。
- Salesforce CRM 上で、営業マンが顧客の情報をリクエスト (CRM 画面上でボタンをクリック)
- リクエストは Fiorano ESB に送られ、
- Fiorano ESB が SAP ERP 上の該当 ABAP をインボーク
- SAP ERP での実行結果を Fiorano ESB が取得
- 実行結果として受け取った顧客情報を Salesforce CRM に返信
- Salesforce CRM では、返信されてきた顧客情報を CRM の画面上に表示
上記フローは、逆 (SAP ERP --> Salesforce CRM) にも働きます。
従来のプログラミングを必要とするシステムとは異なり、Fiorano ESB におけるフローは、視覚的なツールによってノンコーディングで行うことができます。
また、ポイント・ツー・ポイントのシステムとも異なり、複数のアプリケーションに接続することができるマルチ ポイント システムとなっています。
例えば、salesforce.com/Apex Web サービスから SAP ERP のデータと共に生産管理システムなどの他のアプリケーションのデータも同時にリクエストできます。
Nilkamal 社は、次のフェーズとして、SAP ERP 以外のアプリケーションも統合するプロジェクトをスタートさせる予定です。
効果
営業効率の向上
salesforce.com に代表される SaaS アプリケーションと ERP システムをシームレスに連携することは、業務処理のストリーム ライン化を促進し、営業効率を大きく向上させます。
Fiorano ESB 用いて企業内外のその他のアプリケーションも連携させることで、強固で、スケーラビリティに富む企業の神経システムへと昇華させることができます。
アジャイル性の確保
アプリケーション連携フロー (業務処理フロー) の実行中でもフローの変更が可能な Fiorano Cloud Platform では、連携フローの開発/変更コストを飛躍的に低減させることができます。
連携フローの設計者がフロー図を描き、そしてそのフロー図はそのまま実際の企業ネットワーク上に即時にデプロイ可能です。
開発コストの削減
アプリケーション連携フローは、ドラッグ&ドロップのマウス操作で作成することができ、プログラミング作業を必要としません。
他の製品や従来の統合技術と比較して、高度な技術習得や特別なトレーニングを必要とせず、また、外部の専門コンサルタントに頼る必要もありません。
収益の増大
CRM と ERP が連携されたことにより、請求情報、支払い情報、在庫情報、顧客情報といった営業活動に必要な情報に 360°リアルタイムにアクセスできるようになりました。
これによって、取引に関わる意思決定が迅速に行えるようになりました。
様々なアプリケーションから必要な情報を集めてくる作業に煩わされることなく、営業マンは取引成立のためのアクションに専念できるようになりました。
ROI の向上
上記の効果によって、Nilkamal 社の ROI は大きく向上しました。
注: 本文中に引用している Karan Doshi 氏のコメントは、CIO マガジン誌のインタビューにおいて述べられたものです。
http://www.cio.in/case-study/heading-towards-better-sales-management-nilkamal
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
製造業ソリューション
ハイブリッド クラウド連携
Salesforce CRM 連携
SAP システムとの連携
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
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