Fiorano Integartion Platform®:
政府機関との電子データ交換、サービス拠点間の在庫統合管理
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キーポイント
- 警察との電子データ交換
- レガシー メインフレームとの連携
- 多岐にわたるデータ ソースへのアクセス
- データ スキーマ / フォーマットの統一
- 分散された拠点の在庫の一元管理
- データ内容に基づくデータのルーティング
- データ変換
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『 Fiorano SOA Platform はそのプリビルト コンポーネントと併せて使用することで、Fraikin 社にとって相手を選ばない統合プラットフォームとして機能しています。弊社のパートナー企業が保有している様々なレガシー アプリケーションを統合することが可能となりました。』
Fraikin 社 CTO Sarah Chaouat
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本事例の章
- Fraikin 社の概要
- プロジェクト1 (政府機関との電子データ交換 (交通違反金支払いの自動化))
- ソリューション
- 効果
- プロジェクト2 (各拠点に分散する在庫の一元管理)
- ソリューション
- 参考資料
Fraikin 社の概要
Farikin 社は、運送サービスを提供している企業で、ヨーロッパにおける大手の一社です。輸送車両による一般運送サービスの他に、一般企業から政府機関まで多くの組織との間で様々なソリューション サービス (レンタル契約やアウトソーシングなど) も提供しています。Fraikin 社は、配送センターをベルギー、フランス、ルクセンブルク、スロバキア、スペイン、スイス、ポーランド、英国に展開し、その数は 230 を超えています。Fraikin 社は、約 3,000 人の従業員と 64,000 台の車両を有しています。
Project 1:
フランス警察との電子データ交換 (交通違反金支払いの自動化)
Fraikin 社は、64,000 台を超える運送車両を有するヨーロッパの代表的運送サービス企業です。
このうち、フランスにおいて 4,000 台を運用しています。これだけ多くの車両が運用されているため、交通違反金の量も多大なものになってしまいます。
駐車違反のチケットやスピード違反のチケットの数は、年間 12,000 件にも達しています。
最近まで、違反処理はコンピュータ化されておらず、違反チケットは郵送によって送付されていました。
Fraikin 社では、送られてきた違反チケットの詳細を人手によって調べ、違反した車両とその所有者である委託先の業者を特定していました。
特定できた違反チケットは、郵送によって委託先の会社に再送付していました。
最近、フランス政府が条例によって違反管理の電子化を義務付けました。
フランス政府の電子化の実装に伴い、Fraikin 社は、フランス警察との電子データ交換を行うためのシステム仕様を政府をより受け取りました。
この政府が定めた仕様には、
- 年 2回の運送車両に関する基本データの警察への電子的提供 (ネットワーク通信)
- 週 1回の運送車両の更新データを警察へ電子的に提供
- 違反金に対する電子的な即時処理
が含まれています。
最大の課題は、短期間でデプロイできる統合プラットフォームの選定でした。
この統合プラっフォームは、もちろん、政府の定めた仕様を満足するものでなければなりません。
ソリューション
Fraikin 社では、アプリケーション システムを Windows マシン、IBM z/OS メインフレームを含む異機種環境で運用しています。
また、顧客の記録、運送車両のデータは、メインフレームの DB2 データベースに格納されています。
Fraikin 社は、既存の様々なマシンやアプリケーション システムをそのまま使用できる統合プラットフォームとして
Fiorano SOA Platfrom を選択しました。
Fiorano SOA Platform が有するスケーラビリティも選択理由の一つでした。
Fraikin 社では、Fiorano SOA Platfrom 上に、違反金処理を行う一連のイベント フロー (ビジネス プロセス フロー) を作成しました。
イベント フロー 1
最初のビジネス プロセスは、車両データを年 2回フランス警察に電子的に送信するフローです。
- メインフレームから車両データをリトリーブ
- フラット ファイルで取得した車両データを XML に変換
- 政府の仕様に XML データのスキーマ合致しているか検証
- フランス警察に FTP によって車両データを送信
イベント フロー 2
2番目のフローは、車両の更新nデータを週単位でフランス警察に提供するためのフローです。
このイベント フローは、最初のフローに類似しています。違いは、週単位で実行される点です。
1番目、2番目のフローによって、フランス警察は Fraikin 社の運送車両の実態を把握できるようになります。
ヨーロッパ最大の運送会社の車両を把握できることは、フランス警察にとって大きなメリットです。
イベント フロー 3
フランスの交通当局から違反通知を受け取るためのフローです。
- フランス警察から日毎に送られてくる違反通知を XML ファイルとして受け取る
- 受け取った XML ファイルを処理する
- XML ファイルを違反毎に分割し、1違反 1メッセージとする。
- 個々の違反に分割されたメッセージは、メインフレームの Web サービスを呼び出すためのリクエストとする。
- Web サービス リクエストによってメインフレームに処理を依頼する。
- Web サービス リクエストを受け取ったメインフレームでは、違反記録の DB2 データベースを更新する。
イベント フロー 4
フランス警察へレスポンスを返すフローです。
このフローは、前のフロー 2 から継続して実行されます。
- メインフレームの DB2 に記録されている違反レコードから、違反車両を特定
- 違反車両の情報や車両を管理している委託業者の情報をメインフレームから取得 (フラット ファイル)
- メインフレームから取得したフラット ファイルのレコードを XML に変換
- XML ファイルをフランス警察に FTP で送信
イベント フロー 5
エラー発生時の処理フローも作成されました。
前のフロー 4 で、エラーが発生し、警察へのファイル転送が失敗した場合に、その対処を行うフローです。
効果
Fiorano SOA Platform によってもたらされた効果には以下のものがあります。
- 政府が定めた新たな法令を遵守することが、速やかに行えた
- フランス警察への精確な運送車両情報の提供がエラーなく行える
- 交通違反通知に対する迅速な処理が可能となった
- 違反通知の受領処理
- 違反車両および管理責任のある委託業者に関する情報の提供
Project 2:
各拠点に分散する在庫の一元管理
Farikin 社は、サービス拠点をヨーロッパ全土に展開しており、その数は 220箇所を超えています。
Farikin 社は、各拠点が抱える在庫を一元管理するために、Fiorano SOA Platform を使用しています。
在庫されているパーツの情報や在庫レベルは、各拠点の倉庫において搬入/搬出がある度に、刻々と変化します。
課題は、在庫情報を効率よく更新し、数百の数のパーツについて最適な在庫レベルを維持することが可能なインフラを導入することです。
課題解決に必要なものは、インタフェースが多岐にわたる既存システムを柔軟に連携可能なプラットフォームです。
そのような連携プラットフォームによって、既存システムを変更することなくそのまま活用することが可能となるからです。
図をクリックすると拡大図を表示します。
ソリューション
fiorano SOA Platform を採用することにより、様々なデータ ソースの異なるフォーマットのデータを、統一的な単一のリポジトリに格納することが可能となりました。
Fiorano SOA Platform にバンドルされている豊富なアダプターによって、各種のデータ ソースへのアクセス、データ フォーマットの統一、データの分配が非常に簡単に行えるようになります。
また、fraikin 社が有していた既存のレガシー アプリケーションも、製品にバンドルされているプリビルトされているアダプターによって、容易に接続できるようになりました。
- データ ソース アクセス
- eメール
- FTP 経由のフラット ファイル
- シェアード ファイル システム
- データ フォーマットの統一
- XML - テキスト変換
- XSLT によるデータ マッピング (フォーマット変換)
- データ内容に基づくルーティング (データ配布先の振り分け
- 既存レガシー アプリケーションと各拠点システムとの連携
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
流通、小売、ロジスティックス業界
政府、官公庁ソリューション
英国電子政府相互運用性フレームワーク
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
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