Fiorano ESB®: 財務データの統合と承認プロセスの構築
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キーポイント
- 予約のトラッキング
- PNR (要約記録) 処理のトラッキング
- 効果的な内部統制の実現 (会計トランザクションのトラッキング)
- 異なるデータベース製品と部門毎に異なる会計システム
- 4GL から Visual Basic、Java まで様々な言語で開発されたアプリケーション
- 開発コストと開発期間の低減
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『 Fiorano ESB の採用によって、クリティカルな経営課題を解決することを目的としたワークフロー ソリューションを短期間で実現できました。このソリューションによって、今までにない ROI の成果も得られました。』
BTI Canada 社 テクニカル アーキテクト Sebastien Flacher
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ホワイトペーパー
BTI Canada において実装されたビジネス プロセスのうち、人間を介在させた承認プロセスについて考察したホワイトペーパーを作成しました。
このペーパーは、ワークリスト機能を用いて人間による承認、却下、エスカレーションなどの処理をビジネス プロセスに組み込む方法について解説したものです。
ワークリスト処理 (人間による承認フローの実現) (資料ダウンロードページへ)
導入事例の概要
BTI Canada の予約部門、会計部門、発券部門の 3部門は、それぞれの部門独自で開発したアプリケーションを使用していました。
また、それぞれ開発言語も異なっていました。
これが障害となって、部門をまたがった社全体の売上げや立て替え金などの状況を随時チェックすることが不可能な状況になっていました。
BTI Canada は、この問題を解決するために、Fiorano ESB を採用し、販売担当者が飛行機などの予約時に必要となる料金を立て替えるために使用する社内用のクレジット カードの使用状況をリアルタイムで追跡できるようにしました。
また、会計上のエラーを最少限にする目的で、カナダ国内に点在して配置されているコールセンターに勤める 140名の販売担当者の業務進捗状況を Fiorano ESB のモニタリング機能を利用してトラッキングしています。
本事例の章
- BTI Canada 社の概要
- ビジネス上の課題
- 実装上の課題
- ソリューション
- 効果
- 参考資料
BTI Canada 社の概要
BTI Canada 社は、世界最大の旅行会社の一つである BTI (Business Travel International) のカナダ法人です。
BTI Canada には、顧客企業の出張旅行を管理するサービス、レジャー旅行を扱う Travel Escapes サービス、国際会議を扱う Bravo Meeting Management Solutions サービス、官公庁を顧客とするサービス (GTS: Government Travel Service) があり、カナダ国内の 12の支店でサービスを提供しています。
また、世界 80カ国の 3,000 の支店網を活用し、顧客の旅行先での細かな要求に対応しています。
ビジネス上の課題
BTI Canada は、カナダ国内において 2番目に大きな旅行会社で、カナダ政府をはじめとしてカナダの主要な企業や官公庁をその顧客としています。BTI Canada のサービス業務には、旅行サービス以外にも、ローヤリティ プログラムのサービス、会議運営サービス、オンライン申請サービス、ナレッジ マネージメント サービスがあります。
1年前 (2002年) に、BTI Canada は、旅行サービスの顧客満足度を向上させる目的で、ローヤリティ サービスを開始しました。
このサービスでは、顧客は累積ポイントをチケットの購入に充てることができます (航空会社のマイレージ プログラムに相当します)。ローヤリティ プログラムの実施には、予約部門、会計部門、発券部門をまたがるビジネス プロセスを実装する必要がありました。このビジネス プロセスでは、トランザクションのログが必ず記録され、部門間での顧客口座の整合性も確保されなければなりません。
BTI Canada では、顧客のリクエストに応じて様々な予約 (航空券、列車、ホテルなど) を行う際に次の 3つの方法を販売担当者が自由に選ぶことができます。
これが、トランザクションのトラッキングをたいへん複雑なものとしていました。
- BTI Canada の予約アプリケーションを通じて親会社 BTI の“SABRE予約システム” (世界中に分散されたシステム)上で予約を行う
- BTI Canada の予約アプリケーションを通じて “Tour Operators 予約システム (メインフレーム)” に直接アクセスして予約を行う
- 他の会社が運営している旅行予約ウェブサイト上で予約を行う (例 : www.travelocity.com )
個々の予約リクエストは、予約部門、会計部門、発券部門の 3つの部門を流れていき、最終確認および発券にいたります。
発券にいたるまでには、様々なビジネス ルールを適用し、業務処理を確かなものとする必要があります。
例えば、予約方法によって次のような異なる状況が生じます。
- SABRE 予約システム上または Tour Operators に直接アクセスして予約が為された場合には、
トラッキング データは Tour Operators システムに記録されます。
- 第 3 者 (航空会社、鉄道会社、ホテルなど) のウェブサイト上で必要な予約料金を社用クレジット カード (ゴースト カードと呼んでいます) で支払って予約が為された場合 (本来は顧客が支払うべき予約料金ですが、これを BTI が立て替えて支払います)、
BTICanada はこの取引 (トランザクション) を追跡する機能を持っておらず、各販売担当者が為した予約とクレジット カードの使用状況とを付き合わせることもできません。
販売担当者が行ったクレジット カード使用に関わるアカウンタビリティの不十分さと、トランザクションのトラッキングの困難さとが相まって、第 3者のウェブサイト上での予約を行えば行うほど、より多くの深刻な問題を生じます。このような問題は、予約部門、会計部門、発券部門の間での情報の不整合を引き起こします。
実装上の課題
開発プロジェクトでは、技術面およびビジネス プロセスの両面で解決すべき多くの問題点を確認しました。
内部システムに関わるもの
- 4GL から Visual Basic、Java まで様々な言語で開発されたアプリケーション
- 異なるデータベース製品と部門毎に異なる会計システム
- SABRE (世界中で行われる予約の 35% を処理、管理するセントラル システム)
- ポイント (交換と無効化) および現金のトラッキングと管理
- インターネットを経由した取引先とのリアルタイムな通信
- 3つのサブ プログラムで構成されているローヤリティ プログラムの管理 (サブ プログラムにはそれぞれ独自のビジネス ルールがあります)
コール センターに関わるもの
- 予約のトラッキング (顧客側からの追跡調査)
- 顧客の出発日前に発券されるか ?
- 請求金額 (現金およびポイント) は正確か ?
- 顧客がキャンセルした場合、下記の処理をどうするか ?
- すべてのチケットをキャンセル ?
- 請求書の内容をすべて破棄 ?
- 顧客のクレジット カードへの払い戻し ?
- 部分的払い戻し ?
- ポイント交換の戻し ?
- トランザクション処理が既に完了している (コミットされている) 場合の処理 ?
- 販売担当者の業務処理状況のトラッキング
- 各支店毎の予約件数のリアルタイムな把握
会計処理上の要件
- 会計システム内の情報が常に最新のものに確実に更新されていること
- すべての会計トランザクションのトラッキング (ポイントおよび現金)
- 現金残高のリアルタイムな把握
IT 部門の課題
- 既存のレガシー データベースおよびバックエンド アプリケーションに対する新規データのインタフェースの作成
- 開発コストと開発期間の低減
顧客側の要件
- すべてのシステムから集めたデータによるレポート作成機能 (レポート フォームのカスタマイズが可能なこと)
- わかりやすい支払い
ソリューション
課題解決のための重点ポイント
データ管理
ビジネス プロセスの構築
既存システムのインテグレーション
- XML と Fiorano ESB の使用が、プロジェクト成功の重要なキーとなりました。
- 本番稼動の時期およびビジネス上の利点と影響を考慮してプライオリティ付けされたサブ プロジェクトに分割し、
プロジェクト全体をいくつかのフェースに分けました。
- ビジネス プロセスの監視、および課金と PNR (要約記録) 処理のトラッキングに Fiorano ESB を用いることにしました。
これによって、販売担当者のアカウンタビリティが改善され、社用クレジット カードの使用に関わるトランザクションのリアルタイムなトラッキングが実現されました。
- 既存アプリケーションの変更を最少に抑え、稼働中のアプリケ−ションを停止することなく実装できました。
既存アプリケーションに追加されたものは、課金処理と PNR (要約記録) の完了を HTTP を介して Fiorano ESB に通知する簡単な機能だけでした。
- FioranoESB 以外によるソリューションと比較して開発期間が短くてすみ、さらにプログラム コードの大幅な変更に伴うリスクを回避できました。
効果
30日以内に Fiorano ESB を本番稼動させることができました。
実現されたインテグレーションはシームレスでシンプルなもので、デプロイメントは非常に簡単でした。
BTI Canada は、以下に示すような ROI を直ちに得ることができました。
- トラッキングできていなかったトランザクションを把握できるようになったことによる収入の増加
- トランザクションの確実性の改善および効果的な内部統制の実現
- 部門システム間の会計上の不整合をリアルタイムに把握できるようになり、顧客などへ送付する請求書などの文書の正確性の改善
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
アプリケーション連携 (EAI)
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
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