Fiorano ESB®: 予約システムのインタフェースを標準規格に変更
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キーポイント
- 予約のトラッキング
- OTA (Open Travel Alliance)
- Amadeus System
- Java、XML
- 開発コストと開発期間の低減
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『 NCL は、Fiorano のパフォーマンスにたいへん満足しております。Fiorano 製品によってもたらされた新しい標準化された API を手にすることができましたので、アドホックなポイント ツー ポイントの統合方法は捨て去りました。従来のプロジェクトでは開発期間が 6ヶ月もかかりましたが、新しい API に基づいたプロジェクトでは大幅に期間を短縮できました。開発期間だけでなく運用コストにつきましても大きな削減を実現できました。旧予約システムでは 1つの予約に $40 も要していたものが、新システムでは $13 に削減することができたのです。』
NCL コーポレーション システム開発部門長 兼 チーフ アーキテクト Joe Navarro
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本事例の章
- NCL コーポレーションの概要
- ビジネス上の課題
- ソリューション
- 効果
- 参考資料
NCL コーポレーションの概要
NCL コーポレーションは、フロリダ州マイアミに本社を置くクルーズ会社で、16隻の船を有しています。
NCL は現在、ノルウェー クルーズ ライン、NCL アメリカ、オリエント ラインを運営しています。
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2004年 7月 4日、NCL は米国の海運史上に新たな 1ページを加えました。
米国では 50 年ぶりの新船となる 2,002 人乗りの Pride of Aloha 号を進水させたのです。Pride of Aloha 号は、NCL ブランドの元、ハワイで就航しています。また、姉妹船である Norwegian Wind 号は、ノルウェー クルーズに就いています。
ビジネス上の課題
ノルウェー クルーズ ライン (Norwegian Cruise Line) の親会社である NCL コーポレーションの社内では、同社が保有する保有する船の美しい船体とは異なり、多くの問題を抱えていました。
クルーズの種類は増え、小さな新しい船を注文してはいましたが、フラグシップは 50 年も前に建造された古いものでした。
このため、多くのクレームが乗客から寄せられていました。
NCL が採った方法は、保有する船を最新のものに変更することだけではありませんでした。
NCL の CIO である Kevin Quinlivan 氏をリーダーに、会社の IT 基盤を刷新することでコストの低減とサービスの改善を図れる方法を模索したのです。
多くの課題を解決してきた中で、最初に解決した課題は、予約システムのインタフェースを標準規格に基づくものに変更したことです。
これによって、旅行代理店などの取引先とのインテグレーションがシンプルになり、コストを低く抑えたインテグレーションが実現されました。
Quinlivan 氏は、
『旅行業界では伝統的に業務処理の自動化に無頓着できました。ある一つの予約システムに接続するためには、数ヶ月の開発期間と数十万ドルの費用がかかってしまうのが普通でした。さらに、予約システム毎に、あるいはプロジェクト毎にその方法は異なり、全てのものに共通なインタフェースなどはありませんでした。』
と、述べています。
旅行業界がこのインターオペラビリティの問題を理解したのは最近のことです。
それは、オープン トラベル アライアンス (OTA: Open Travel Alliance) に代表される業界団体を通じて理解が浸透していくことによってでした。
OTA は、XML などのインターネットに関する最新技術を活用し、旅行業者間のデータ交換をサポートする標準規格に基づいたメッセージング プラットフォームを構築することを主目的としている団体です。
NCL は、OTA に準拠した接続方法を模索していました。
- 最初に、標準規格をサポートしているアプリケーション連携製品を探しました。
- 周種類の製品をテストし結果、Fiorano ESB を選択しました。
- Fiorano ESB を選択した理由
- 技術面で信頼がおける
- 開発、運用を支援する豊富なツール群
- Java、XML をサポート
- 異機種環境におけるアプリケーションとの接続性
ソリューション
Fiorano ESB は、データ処理に関するすべての標準インタフェースをサポートする最初の ESB プラットフォームです。
Fiorano ESB の特徴
- 標準規格に準拠した SOA の構築
- 通信プロトコル
- データ変換
- ポータビリティ
- セキュリティ
- 既存ビジネス ロジック (アプリケーション ソフトウェア) の再利用
- アプリケーションの配置場所を選ばない分散処理環境
- 異機種環境におけるインターオペラビリティ (相互接続性)
- ソリューション構築のアジャイル性
NCL は、Fiorano ESB の採用を決定した数ヵ月後に開発を開始しました。
NCL は最初の接続先として、旅行業界で最も大規模な Amadeus System を選びました。
Amadeus には、世界中の旅行業者が参加しており、その数は 67,000 社にもおよびます。
NCL は、自社の予約システムのコンピュータをこの Amadeus に接続し、世界中の旅行代理店からの予約を受けています。
開発を開始してからほんの 1ヶ月半で、NCL - Amadeus のパイロット システムのテストが外部の旅行代理店も参加して実施できるようになりました。
Amdeus はヨーロッパで多く普及しているため、本番稼動後はヨーロッパからの予約が短期間の間に顕著に増えてきています。
なお、すべての機能の本番移行は、3ヶ月後でした。
NCL のシステム開発部長でありチーフ アーキテクトである Joe Navarr 氏は、
『弊社は、予約システムのプラットフォームとして、IBM RISC 6000 (AIX) を使用しております。
Fiorano ESB は、このマシン上の予約システム (Freestyle Connect) や Oracle DB と直接接続することができました。
Fiorano 社のテクニカル サポート チームが助けてくれたため、ほんとうに小さな開発チームで最初のメッセージ セットを作成することができました。その後、必要に応じてエンジニアの数は増えていきましたが。』
と、コメントしています。
Fiorano ESB のアーキテクチャ
効果
NCL は、Fiorano のパフォーマンスにたいへん満足しております。Fiorano 製品によってもたらされた新しい標準化された API を手にすることができましたので、アドホックなポイント ツー ポイントの統合方法は捨て去りました。従来のプロジェクトでは開発期間が 6ヶ月もかかりましたが、新しい API に基づいたプロジェクトでは大幅に期間を短縮できました。開発期間だけでなく運用コストにつきましても大きな削減を実現できました。旧予約システムでは 1つの予約に $40 も要していたものが、新システムでは $13 に削減することができたのです。
NCL の予約システム委員会は、Fiorano ESB を企業システムのアーキテクチャに大きなインパクトを与える製品であると評価してくださいました。
先進的なミドルウェア ソリューションとして Fiorano ESB は、様々なビジネスに幅広く対応し、またどのようなデプロイメント環境にも対応できることを確かなものとする製品です。
NCL では、業務上最もクリティカルなアプリケーションの一つである予約システムで Fiorano ESB が成功を収めたことから、次期計画の検討を開始しました。
時期計画
- PeopleSoft の財務管理システムと Fidelio の船舶管理システムとの相互接続
- 船室利用料金の請求業務
- 食材や物品の供給業者とのサプライ チェイン
『このように弊社のクリティカルな業務に Fiorano ESB を使用できることは、たいへんありがたいことです。
この製品は、我々が想定していたパフォーマンスを不足なく実現してくれました。かねてから望んでいた効率性の達成と運用コストの削減が実現されていくのを、目の当たりにできたのです。』
と、最後に Navarro 氏は付け加えてくれました。
参考資料
機能説明のページ
ソリューション紹介のページ
アプリケーション連携 (EAI)
ホワイトペーパー
『 メッセージ ドリブン SOA 』 (資料ダウンロードページへ)
『 ESB 製品選定のポイント 』 (資料ダウンロードページへ)
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